あれこれdiary

海自OBによる偏見御免徒然あれこれdiary

襟裳岬沖にミサイル!?

 昨日の朝(9月15日)起きると、家内が「北朝鮮のミサイルが襟裳岬沖に落ちたって!」と言うので「そんなアホな」と思いつつテレビを見ると、襟裳岬の東方2000kmの海中に着弾とのことでした。この表現なんとかならないものかと思います。「北海道のはるか東方沖」と言えば済む話を、襟裳岬というピンポイントを含んだ情報にした途端、受け手は、家内のように、あたかも襟裳岬のすぐ沖合に着弾したようなイメージを抱いたり、襟裳岬が標的だったかのように誤解しかねず、徒に不安を煽ることになりかねないからです。

www.instagram.com

 北朝鮮による核兵器弾道ミサイルの開発は、国際社会にとって看過できない由々しき問題ですし、開発の目的や現状を探ることは重要です。でも、今回の発射実験で私たち一般の国民が最も知る必要があったのは、「いつ、どこに着弾するのか」に尽きます。その意味で、事前になんら公表することもなく、船舶が航行している可能性のある公海上にミサイル弾頭を落下させたことは、ほんとうに信じがたい暴挙だと思います。

 常識的な国家であれば、弾頭落下予定海域に相当の広さの航行制限海域を設定し、十分余裕のある時期に世界に向けて公表します。そうすることで、万一の事故を未然に防ぐことができるからです。

 北朝鮮がそのような措置をとらずに、弾道ミサイルの発射実験を行う目的は、情報収集のための十分な準備期間を与えない、よりセンセーショナルに実験をアピールする、実験の自由度を確保する、などいくつか考えられますが、最大の理由は、誤って設定海域以外に着弾した場合、国際社会から技術力を侮られるだけでなく、北朝鮮にとって貴重な外貨獲得手段である弾道ミサイルの商品価値を下げることになりかねないからではないかと考えます。ひょっとして自信もないのに発射実験をやってる?という疑問です。

 だからこそ、実験が失敗して我が国に弾体が落下した場合を想定した教育や訓練を行っておくことが大切だと思います。

 さて、台風18号が日本を縦断することが予想されていますが、今日(9月16日)、海上自衛隊東京音楽隊の定例演奏会を聴きに昭和女子大学人見記念講堂に行ってきます。とても楽しみです。次回は、演奏会の感想などを書いてみたいと思います。よい画像が撮れましたら併せてアップします。 

 

 お知らせ!自衛隊音楽祭のウェブ受付始まってました。10月1日までだそうです。

www.mod.go.jp