スタート地点の円光院前で待っていると地元の小学校鼓笛隊の生徒
「自衛隊ふれあいコンサートin長野」に行ってきました(その2)
昨日、長野でのふれあいコンサートの会場に辿り着くまでの経緯を報告しました。
今回の演奏会は、東京音楽隊の自主広報ではなく、長野地方協力本部を通じた、長野市防衛協会・長野商工会議所共催による「自衛隊ふれあいコンサート」への協力という形になりますので、演奏会に先立ち、長野市防衛協会会長様からのご挨拶がありました。昨今の我が国周辺の緊迫した国際軍事情勢に触れ、国内、特に国会議員の間に危機感が全く感じられないことを憂いておられました。
続いて、長野地方協力本部長の林秀彦・1等陸佐よりご挨拶があり、自衛隊に馴染みの薄い長野県では、新隊員の募集が難しい実態を吐露され、会場に向かい、理解と協力が求められました。そこで、会場入りする際の長い列で私の前におられたご婦人方の会話を再び思い出しました。「人数はすごく多いけど、若い人はあまりいないわね」「ほんと、年配者ばかりで・・・、本当は入隊してくれるような若い人に来て欲しいんだろうけどねぇ」・・・耳が痛い言葉ではあります(≧∀≦)
ご挨拶が終わり、以後の進行が東京音楽隊に委ねられる前に、運営側のアナウンスがありました。
「ただいまから国歌の斉唱を行います。ステージ上、国旗が入場いたしますので、会場の皆様はその場にご起立ください」
そして右袖から、陸上自衛官に護持された国旗が入場、同時に左袖から橋本晃作さん、三宅由佳莉さんのお二人がその順番でステージ上に登場されました。お二人による国歌「斉唱」なのか、会場の皆も歌う斉唱なのか、どっちかな、と思っておりましたら、アナウンスが「会場の皆様は声は出さなくて結構ですので、心の中で一緒に斉唱していただけたらと思います」とのことでした。これもウィズコロナならではの配慮なのでしょうけど、私は久しぶりに大きな声で歌いたかったな(≧∀≦) それはさておき、三宅さん、橋本さんのお二人による国歌「斉唱」は、心が澄み渡るような本当に素晴らしいものでした。この時点ではまだ、場内撮影禁止などのアナウンスはされていなかったので、しれっと撮影すればよかったと思いました(≧∀≦) いつも後知恵です。
国歌斉唱が終わり、お二人が左袖へ、国旗が右袖へそれぞれ退場した後、それぞれの楽器を手にした隊員の皆さんが両袖から次々と入場してこられると、会場からは大きな拍手が送られました。今回の演奏服は、タキシードタイプの演奏服でした。2022年7月29日に東京オペラシティで開催された「音楽の『たまて箱』」でお披露目となった新演奏服の冬服(黒)だと思います。
■第1部
隊員の皆さんが席に就かれたところで、ステージ左奥のパーカッションエリアから、吉田佳奈恵さんがマイクを手に進み出てこられました。
(この写真は、2019年の東郷の杜音楽祭でMCを務める吉田佳奈恵さんです)
いつものように素敵な笑顔で滑舌良く「みなさんこんばんはー」と呼びかけられると、会場からも大勢の方から「こんばんはー」と反応が返ります。大ホールならではのこの感じがいいですね(╹◡╹)
ちなみに、吉田さんは、2019年の東郷の杜音楽祭(上の写真)のほか、先日横浜みなとみらいで開催されたフリートウィーク野外演奏会でのMCも見事にこなされてましたね。以前、練習艦隊音楽隊に派遣されていた際には、海外での演奏会で英語を交えたMCもされてました。滑舌がとても良いので聞きやすく、ちょっと抑え気味の茶目っ気が垣間見えて、それが独特の魅力になっています。今後もMCの機会が増えていくのでしょうか、楽しみです。
「これからのひととき、海上自衛隊東京音楽隊の演奏をお楽しみください」…(はい、そうします(╹◡╹))
吉田さんは、今年が海上自衛隊創設70周年、そして東京音楽隊開隊70周年に当たることなどを紹介された上で、「最初にお送りするのは・・」と曲紹介を始められましたが、ステージ中央の指揮台の上には誰もおられない状態なので、ちょっと「あれ?」と思いました。
■1曲目:波に映るは暁の色
「最初にお送りするのは、海上自衛隊創設70周年を記念して作られた委嘱作品、『波に映るは暁の色』です。作曲者は、『艦隊これくしょん』通称『艦これ』に多くの作品を提供してこられた亀岡夏海さんです。亀岡さんによれば、この作品は3つの部分から成っており、最初は勇ましいファンファーレの中艦艇が出航していく様が、続いて洋上でのひと時の静寂に包まれる艦の佇まいが、そして最後に艦上から発進する航空機の躍動感と浮揚感が表現されているそうです。」ここで、左袖から長岡・前横須賀音楽隊長が登場されたので「お」と思っていると、吉田さんが「指揮は、東京音楽隊副長、長岡英幸・1等海尉です」と紹介されたのです。
長岡1尉は、今年(2022年)9月に横須賀音楽隊長から東京音楽隊副長に異動されていたのでした。図らずも、久々に長岡さんの指揮を拝見する機会が得られました。
この曲を収録した動画はないものかと探してみましたが、どうにも見つかりません。まだ初演から日が浅いので、公式チャンネルにもアップされていないのでしょう。
多分こんな感じかなー、と想像しながら心の中に流れるメロディを楽しんでみてくださいね(無理か(≧∀≦))
演奏が終わり、会場からの拍手喝采に深々と礼をされた長岡副長は、指揮台を降りて左袖へ退場されます。
ここでちょっと、ステージ上のことに触れておきますと、いつもと「全然違う」配置になっていたのがグランドピアノです。ステージ前面の左端に据えられているのですが、客席に背を向けて演奏する形で置かれています。このような設置の仕方を私は初めて見ましたが、どうなんでしょう、よくある方法なんでしょうか? 私たちファンからすれば、太田さんが演奏される様子、鍵盤の上で華麗に踊る手指の動きがよく見えるので、とても嬉しいことなんですが、観客に背を向けて演奏するのって太田さんにとってはやりにくいんじゃないかなぁとちょっと思いました。また、オルガンがグランドピアノの向こう側に置かれていたようで、太田さんが時々そちらに移られて演奏し、また戻ってくるという動きになっていました。zubizubizhyさんによると、松本公演では、ステージ余積の都合なのでしょうけど、オルガンがピアノから離れたステージ中央に据えられていて、太田さんがダッシュで(^ ^)移動されていたとのことです。いろんな工夫をしながら良い演奏を聴かせてくださってるんですね、ありがとうございます。
■2曲目:スピリティッド・アウェイ〜「千と千尋の神隠し」より
日本が世界に誇るジブリアニメ、中でも巨匠の名を縦にしている宮崎駿監督による金字塔とでも言うべき作品が「千と千尋の神隠し」でしょう。そして、Spirited away とは「神隠し」の意味で、「千と千尋の神隠し」の英語タイトルでもあります。
ここからは、東京音楽隊長、植田哲生・2等海佐の指揮となります。長岡副長の指揮は1曲目だけとなりましたが、副長としての指揮デビューということだったのでしょうか、曲の紹介の後に登場されたのも、その辺りを考慮したことなのかも知れません。
この演目は、作品中で使用されている楽曲を巧みに組み合わせ、メドレイとして編まれたものです。出だしは「千と千尋」の摩訶不思議な世界観を下支えする、微かな不安感を伴った無機質であるが故に心に漣が立つようなサウンドを、赤嵜尚子さんとMC吉田佳奈恵さん、お二人のマレットが奏でていきます。次第にオーケストラの音が乗ってきて、重厚なサウンドに膨らんでいきます。そして、多彩な音が織りなすちょっと不安を煽る「千と千尋」の世界が描かれていきますが、一転、「いつも何度でも」の優しい旋律が聴く者に安心感をもたらしてくれます。ここでも、赤嵜さん吉田さんのマレットが美しいメロディを奏でていきます。お二人とも、楽器を離れた時のにこやかな笑顔とは打って変わってシャープに研ぎ澄まされた表情で演奏されていました。
お二人の息のあった、精密な演奏が光りましたね。
YouTubeから、動画を埋めておきます。
3曲目は、ジャコモ・プッチーニの有名な歌劇「トゥーランドット」からの1曲「誰も寝てはならぬ」です。架空の時代の北京を舞台に展開されるこの歌劇は、絶世の美女であるトゥーランドット姫に求婚する数多の諸侯に対し、結婚の条件として姫から出される三つの難問に答えられる者が現れない中、名を伏せた某国王子カラフは見事にこの難問をクリアしたにも関わらず、首を縦に振らないトゥーランドットに対し、明日の朝までに私の名を明らかにできれば結婚を諦めこの命も捧げよう、しかし明らかにできなければ姫は私のものだ、との挑戦を突きつけます。そこでトゥーランドットは、全国民に対しかの王子の名を明らかにするまで「誰も寝てはならぬ」と命じ、明らかにできぬ場合は国民全員皆殺しだと宣言します。北京では、昔も今も、そして架空の世界でも、同じようなことが繰り返されますね。そして、劇中でカラフが歌い上げるのがこの「誰も寝てはならぬ」というわけです。
この曲を、東京音楽隊のパヴァロッティとも言われる(私見です^_^)橋本晃作さんが歌い上げます。
今年(2022年)7月に行われた「音楽の『たまて箱』」でも披露され、聴衆を驚かせたのですが、今回は更にグレードアップした豊かな声量で、大きなホールの隅々まで、優美なテノールのアリアを響きわたらせ、聴衆の皆様を歌劇の世界へと引き込んで行かれました。実に素晴らしい歌唱でした。会場の皆さんも、期待を大きく上回る筋金入りの声楽家のパフォーマンスに驚きそして満足されたのでしょう、惜しみない拍手喝采が続きました。橋本さんも、歌い切ったという満足感が表情に現れていました。橋本晃作の名を長野の地に刻むこととなった長野公演、橋本さんの今後の更なる成長の糧となることでしょう。これからが本当に楽しみな人材ですね。
■4曲目:Sea of Wisdom /知恵を持つ海
次の曲ですが、吉田さんの説明によると、清水大輔さんが、和歌山県のある中学校からの委嘱により手がけられた作品なのだそうです。冒頭、コンサートマスターの近藤悟史さんらが何やら手のひらサイズの楽器でカモメの鳴き声を出されていました。そんな長閑な雰囲気から始まるこの曲ですが、美しいだけでなく力強く、また私たちを生かしてくれる恵の海から感じ取られる様々なイメージが織り込まれた曲ではないかと思います。
私は初めて聴く曲でしたが、力強いメロディーが大変印象に残ります。
フィルハーモニック・ウインズ 大阪の演奏動画がありましたので、埋めておきます。
この演奏が終わったところで15分間の休憩に入りました。
さて、第1部での岩田有可里さんはどうだったのでしょう、気になってる方も多いんじゃないでしょうか。岩田さんはコントラバス奏者としてステージ右端の定位置で演奏されていたのですが、私の席からはコントラバスのネックしか見えませんでした。ネックの上を忙しくかつ美しく渡り遊ぶ左手の優雅な動きは見えるのですが、お姿はほぼ見ることができませんでした。
そして、休憩時間に入り、隊員の皆さんは両袖からはけて行かれますが、赤嵜さんはいつものとおり、パーカッションエリアの確認などをされるためでしょうか、暫くステージ上に残っておられました。また、岩田有可里さんも、コントラバスのチューニングと、2部で演奏されるエレキベースのチューニングをされていたので更に長い時間ステージ上に残っておられました。
いつもなら、赤嵜さんや岩田さんの近くまで行って挨拶するのですが、今回、コロナ禍の中での開催であり、更に滅多に開催の機会がない長野での演奏会ということもあって、地元の聴衆の皆さんが東京音楽隊のコロナ対策に疑念を持たれるようなことがあってはならないと考え思いとどまりました。でも、久々に岩田さんのチューニングを生で拝見することができました。しかも、ベースのポジションは、他の隊員の皆さんが着席したとしても私の席からよく見えそうです。第2部では岩田さんが演奏する姿も拝見できそうです(╹◡╹)
■第2部
15分の休憩はあっという間に終わり、第2部の開幕となりました。
■5曲目:鎌倉殿の13人 メインテーマ
第2部のスタートは、今年のNHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」メインテーマです。
音楽隊の演奏会では、これまでも毎年、その年の大河ドラマのメインテーマ曲を演奏してきました。テレビ離れ、NHK離れが進んでいるとは言われていますが、未だ高い視聴率を誇っているのが大河ドラマであり、多くの国民にとって愛着のある楽曲であるからこそ、音楽隊が毎年取り上げているのだと思います。私の知る限り、本年も7月のたまて箱、9月の第64回定例演奏会、そして前日の松本公演に続き4度目の演奏となります。例年はもっともっと回数が多いです。
私は見ていませんが(物理的に見れない(╹◡╹))、大変面白いドラマだそうですし、この曲を聴いていると何か心に火がつく感じがしますね。
■6曲目:中央フリーウェイ
この曲、私の年代だと青春真っ只中における、ヒット曲などという軽い存在ではなく、もう時代のベースを形作る楽曲の一つだったような気がします。松任谷由美さんがまだ荒井由美として活躍されていた頃の作品ですが、軽妙かつどうしようもなくお洒落な曲ですよね。吉田さんのMCです「今年は松任谷由美さんがデビューしてから50年の節目の年」「私たちも中央フリーウェイつまり中央高速道を通ってここ長野までやってまいりました」なるほど、様々な縁を繋いで楽曲選定が行われているんですね。それにしても、松任谷由美さんのデビューからもう半世紀になるのかと、ちょっと驚いた次第です∑(゚Д゚)
東音の動画はなかったので、陸自東部方面音楽隊のランチタイムコンサートでの演奏動画を埋めておきます。
■7曲目:地上の星
吉田佳奈恵さんによると、中島みゆきさんは、今年て70歳なのだそうです。びっくりです。松任谷由美さんのデビュー50周年にもびっくりしましたが、それ以上に驚きました。つまり、海上自衛隊と同い年ということですね。それもあって中島みゆきさんの、ある種代表曲でもある「地上の星」が選曲されているのでしょう。実はこの曲、今回の長野公演で初めて演奏されたわけではありませんん。naturalさんがこのブログにレポートを書かれた、ミューザ川崎での第64回定例演奏会で披露されているのです。naturalさんのレポート内容と今回の演奏を突き合わせると、おそらく同じアレンジではないかと思われます。
この曲、歌唱付きです。誰が歌った? もちろん、我らが歌姫三宅由佳莉さんです。
それにしても驚きました。こんな三宅さん見たことないです。
演奏会前に、jubijubizhyさんが、「恐ろしい歌です、眠れなくなりますから気をつけてくださいね」と仰っていた理由がよくわかりました。
左袖から登場された三宅由佳莉さんは、いつものとおり満面の笑顔で観客席に手を振りながらステージ中央よりの立ち位置に向かいますが、イントロが始まると表情は一変、仁王立ちする鬼神のごとき迫力と、今にもレーザービームを照射しそうな鋭い眼光で会場を睥睨します。
そして、キレのいい身のこなしと共に、ソプラノ歌手とは到底思えない凄みの効いた低音の歌い出しで「ハッ」とさせられます。「誰が歌ってるの?」と一瞬意味不明の混乱に陥りました。目は三宅さんの歌う姿を捉えているものの、脳内で整合が取れるまでに時間がかかったのだと思います。いやびっくりです。
そして、途中で何度か途轍もない高音域での歌唱が突然入り、度肝が抜かれます。
演奏前の紹介で、「歌姫三宅由佳莉2曹が、この歌を、今年て10万59歳を迎えたあの閣下のバージョンでお送りします」的な紹介をされていました。naturalさんのレポートでも、いかづちさんのメモとして「アレンジがデーモン小暮閣下バージョン。すっかり閣下モードで歌い上げます。本当にゲームチェンジャー三宅!健在です。」とありました。これ読んだだけじゃよく意味がわからなかったのですが、今回よーくわかりました。
最後に高笑いをされるというオプションもありではないでしょうか(ないか(≧∀≦))
例のインスタグラムで、お仕着せのイメージの殻を徐々に破り、最後は木っ端微塵にして、自らを解放された三宅由佳莉さん。今ではすっかり伸び伸びと表現者としてのご自分を満喫されているのかと思いきや、まだまだ進化(いや革命か?)の途上にあるようです。
眼光鋭いままで歌い終わった三宅さん、パッと笑顔に戻り身のこなしも柔らかく喝采に応えて、またにこやかに会場に手を振りながら退場されました。
もうフォローしきれない速さでトランスフォームして行かれますね、三宅さん(^^)
とは言え、この歌の歌詞にご自分なりの考察を加えてその意味を深く理解された上でこの歌に臨まれています。これもいつものことだとは思いますけど。
naturalさんのミューザ川崎レポートからの抜粋です。
三宅由佳莉さん、Twitterでご自身なりの歌詞の解釈をされています。
3オクターブの音域を使う挑戦的なアレンジで歌の持つ世界観を表現してみました。
ペガサス=男
ヴィーナス=女
空=憧れ
氷=消えて無くなる物
つばめ=プロジェクトX(無名の人々に光を照らした番組)
照らすまでもなく輝いている地上の星(あなた)へ
これを見事に表現されたと感じました!由佳莉さん、本当に素晴らしいです!👏👏👏
いや、お見それしましたm(_ _)m
この曲については、動画は埋めません。どんな動画を持ってきても、三宅さんのあの歌のイメージに近づけるわけないですから。
■8曲目:ホワイト・クリスマス
デーモン三宅の破壊的なエネルギーが充満した会場は、軽いパニック状態でザワザワしていましたが、吉田佳奈恵さんが、「ここからは、クリスマスナンバーをお送りします」と紹介され、ちょっと会場も落ち着きを取り戻します。
そして、クリスマスナンバーの最初に演奏されたのが、極めてオーソドックスな「ホワイト・クリスマス」でした。鎮静剤的な役割でしょうか。
■9曲目:jing, jing, jing(ジング・ジング・ジング)
吉田佳奈恵さんのMCです「次にお送りするのは『ジング・ジング・ジング』です。皆さんの中には『え?シング・シング・シングじゃないの?』と思われた方もおられるのではないでしょうか。実は、『シング・シング・シング』と『ジングル・ベル』をミックスして編曲されたナンバーとなっています」
ということで、このナンバーもよく演奏されますし、とても楽しい楽曲です。
私が初めてこの曲を生で聴いたのは、2018年12月にすみだトリフォニーホールで開催された東京音楽隊第59回定例演奏会(ハートウォーミングコンサート)でのことでした。その時は、静寂の中、いきなり爆弾が破裂したのかと思うような、中村圭吾さんの凄まじいドラムの音から曲が始まりましたので、今でも強い印象が残っています。
今回はそのような爆発的なスタートではありませんでしたが、やはり素敵で楽しい楽曲であることには違いありません。
特筆すべきは、清水恭子さんのクラリネット・ソロでしょう。ステージ中央に出てこられて、体を小刻みにスイングさせながら、とても楽しそうに演奏されている姿はとても素敵でした。清水さん、ちょっとイメージが変わったような気がします。髪型でしょうか、より洗練された知的ビューティという感じです。その演奏とも相まって、またファンが増えそうですね(╹◡╹)
そして、この曲では岩田有可里さんのベースがズンズンと心地よく腹にまで響いてきました。私の席からは、このノリのいい曲を楽しみながらベースを弾いておられる岩田さんの姿が真正面から見えますので、第1部とは打って変わって、演奏される姿もあわせてベースの響きを楽しむことができました。演奏後、隣席に座っておられたギャラリーさんも「岩田さん、カッコよかったですねー」と大満足されてました。ほんと、かっこよかったです、あ、いつものことか(╹◡╹)
■10曲目:クリスマス・キャロル・ファンタジー
吉田佳奈恵さんが「早いもので、次にお送りするのが最後の曲となってしまいました」と紹介されました。クリスマスナンバーの最後、そしてこの演奏会の最後の曲目は、クリスマス・キャロル・ファンタジー、定番のクリスマスキャロルをメドレイ風にアレンジされたもので、聴いているとクリスマス気分が自然と盛り上がってきます。この時期の演奏会の締めくくりとしては最適ですよね。
2017年12月にすみだトリフォニーホールで開催されたクリスマスコンサートでの演奏動画が海自公式ページにありましたので、それを埋めておきます。
演奏が終わり、大きな拍手が鳴り続ける中、植田隊長は観客席を振り返り、深々とお辞儀をして左袖に退場されました。
会場からは「アンコール!」の声もかかり、拍手は鳴り止みません。
と、意外と早く植田隊長が再び登場されたのですが、ここで場内アナウンスが入り、地元の生徒さんから花束の贈呈があるとのことでした。
植田隊長と、コンサートマスターの近藤さんがお二人の女子学生からそれぞれ花束を受け取られます。
■アンコール
学生さんたちが退場されたところで、植田隊長が指揮台に上がられました。「軍艦」だなと思っていると、左袖から三宅さんと橋本さんが出てこられました。え?歌唱付きの軍艦? いや、自主演奏会でもないのに、それはやらんだろうと思っているうちに植田隊長のタクトが振られ演奏が始まりました。・・・全然知らない曲です。
それもそのはず、長野県歌「信濃の国」という曲だったのです。
私たちは知りませんが、地元長野の皆さんにとっては馴染み深い郷土の歌です。会場から大きな手拍子が聞こえてきました。おお、なんだこの一体感(*'▽'*)
地元の皆さんに馴染みのある歌はとても大切ですね、いい感じでした。
「信濃の国」で皆さんが盛り上がり、拍手喝采を受けて、植田隊長が「もう1曲ね」というジェスチャをされ、またステージに向き直ります。
今度こそ「軍艦」でしょう。
当たり!(そりゃ当たるわな)
この曲も、もちろん皆さん大きな手拍子で参加します。最後の「軍艦」はやっぱり文句なしに盛り上がりますね。最高です。最高なんですけど、この演奏が終わったら、演奏会も終わってしまうんだな〜と思いながらの盛り上がりなんです。盛り上がってるんだけど、ちょっと寂しい。そんな感じです。
演奏が終わり、大喝采の中、植田隊長は皆さんに深々とお辞儀をされ、左袖に退場されようとしますが、途中で立ち止まり、手招きで三宅さんと橋本さんを呼びます。
お二人が登場して会場に向かって手を振り、お辞儀をすると、会場はまた一段と盛り上がりました。女性ボーカリストだけでなく男性ボーカリストを加え、東京音楽隊の2枚看板にするという構想は大当たりだと思います。
さらに表現の幅も奥行きも広がった東京音楽隊の、今後の一層の活躍に期待して良いと思います。音楽隊の皆さん、お疲れ様でした。そして素敵な演奏をありがとうございました(╹◡╹)
「自衛隊ふれあいコンサートin長野」に行ってきました(その1)
昨日、「長野へ行くぞ(╹◡╹)」という記事でも書きましたが、東京音楽隊の長野遠征二日目は、長野市のホクト文化ホールでの「自衛隊ふれあいコンサートin長野」でした。
■長野への途
午後休暇を取って、北陸新幹線に乗るため東京駅へ向かいます。首都圏以外で開催される東京音楽隊の演奏会に足を運ぶのは初めてですから、ちょっと旅気分も入り、気持ちが盛り上がります。
東京駅で長野までの往復乗車券と自由席特急券を購入し、ホームに上がると、今まさに発車しようとする列車のドアが閉まろうとしていました。北陸新幹線を利用するのは始めてですから勝手が良く分からないまま、車両側面の表示板に見えた「長野」の文字を頼りに「えい!」と飛び乗りました。
幸い多くの席が空いていましたので、3人掛けの窓側に座り、悠々と出発の様子をショート動画としてアップロードしました。
長野まで楽しい列車の旅を楽しもうと、座席の背もたれに深々と身を預けて満足感に浸っていたのですが、間も無く流れてきた車内アナウンスにギョッとすることになります。
私が乗車した列車は「かがやき」という新幹線で、何と「全席指定です。自由席はございません」だって…、そんなこと発車する前に言ってよ! あ、ギリギリで飛び乗ったんだった(≧∀≦)
仕方なく、最初の停車駅・上野で降りましたが、東京から上野まで新幹線で移動する人はまずいないのでしょう(そりゃそうだ^ ^)、ホームから乗車しようとしていた方々が、まさかの降車客が出てきたので、びっくりされてました(╹◡╹)
上野で調べてみたところ(最初に調べろ💢)、「かがやき」は全席指定ですけど、金沢まで行く「はくたか」と、長野が終点の「あさま」は自由席列車があるようです。ホームの表示を見ると、次に来るのが長野終着の「あさま」でしたので、そいつに乗ることにしました。乗り過ごす心配はありません(╹◡╹)
20分ほど時間がありましたので、昼食を取ろうと構内を歩いてみましたが、コンビニしかありません。せっかくの旅なので、久しぶりに車内販売の弁当でも食べてみることにしました。
「あさま」の自由席は1号車から5号車です。my「あさま」が到着し、私は3号車に乗車しました。下りですので、1号車が最後尾になります。
車内販売の弁当を買おうと通路側の席に座り、「さぁ来い!」と気合を入れていたのですが、またしても車内アナウンスです。「この列車では車内販売は行なっておりません」…、そんなこと発車する前に言ってよ! おそらく、運行距離の短い「あさま」では車内販売は採算が合わないということなのでしょう。事情はどうあれ、空腹の私にとっては「がっかりだよ!」な現実でした。
長野着は1645頃ですし、開演は1830ですから、十分過ぎるくらい時間があります。長野に着いたら、まず信州そばでも食することにしよう。蕎麦処の信州・長野ですから、駅前には美味しい蕎麦屋がたくさんあるに違いありません(╹◡╹)
そうと決まれば、また旅気分。
車窓からの眺めをショート動画でアップしながらの旅程となりました。
(↓↓軽井沢駅に停車する際の様子です)
長野の一つ手前の停車駅・上田を出たところで、突然スマホがブルブルと震え出しました。ディスプレイを見ると、極めて珍しい電話の着信!zubizubizhyさんからです。おそらく何時頃着くのかの問い合わせだろうと思いましたが、座席で電話に出ることはできませんので、すぐにLINEで、間も無く長野に着くことをお知らせしました。
いつもLINEで連絡を下さるのに、何故電話なんだろう、と訝しんでおりますと、LINEに返信がありました「ブログ読みましたが、開演時間は、1800です!」
「え?」・・・・「えええ?」
マジかー(≧∀≦)
ブログには「1830開演」と書きましたし実際そう思い込んでいました∑(゚Д゚)
でも、「まもなく長野なら安心です!」との追伸に、「あ、そうだった、もう着くんだった」と胸を撫で下ろしたのでした。早めに出てきて良かった(^ ^)
長野まで移動するだけなのに、事件多すぎでしょ(≧∀≦)
ようやく長野に到着した時には、もう夕焼け時、魅惑的な茜色の空の下、残照に浮かび上がる街並みと遠くの山並みが美しい風景を醸し出していました。
と、しみじみしている暇はあまりありません。開演時間が30分早まった(私の中では^ ^)ことで、十分な余裕があるとまでは言えないからです。
早く蕎麦を食べなければ!(そっちか(≧∀≦))
■信州そば
ところがです、長野駅の周囲にたくさんあるはずと思っていた蕎麦屋が全く見当たりません∑(゚Д゚) そんなバカな、蕎麦王国信州・長野ではないのかΣ(-᷅_-᷄๑)
諦めずに歩き回ったところ、駅ビル内にありました。
信州そば「ナカジマ会館」!
いわゆる立ち食い系のフランチャイズのようですが、蕎麦王国信州・長野で、敢えて「信州そば」を標榜しているのですから期待が高まります。時間も気になりますが、入店決定です(╹◡╹)
私が注文したのは天たまそば(420円)ですが、麺が見えないほどの大きなかき揚げです∑(゚Д゚)
空腹と寒さを一挙に解決してくれた信州そば、美味しかったです(╹◡╹)
東京から持ち込んだ空腹問題が解決したので、会場へ向かいますが、とてもわかりやすい経路で、10分ほどで到着しました。
■会場入り
驚いたのは、会場入り口から長い長い人の列が続いていることです。
入館する際にわかったことですが、検温と手指の消毒のためのゲートがチョークポイントになってしまい、長い列ができていたようです。ウィズコロナならではの光景ということでしょう。
列に並んでいる際、私の前におられたご婦人方の会話が耳に入ってきました。
「すごい人数ねぇ」「なんか、東京音楽隊の演奏会は、どこに行ってもこんな感じみたいよ」
私も内心、「そうなんですよ、いつも大入りです」と相槌を打っていました。
検温ゲートを抜けると、真正面に怪しい集団が・・・
海自の迷彩服に身を包んだjubijubizhyさん(定番コスチューム)、当ブログの顧問弁護士・斉藤さん(勝手に任命)、横須賀地方総監部ギャラリーさん(今日もダンディー)のお三方です(^ ^)
みんなで揃ってチェックインしましたが、チェックインゲートの前に、陸自の偵察隊用バイクが展示されていました。
偵察のことを英語でreconnaissanceと言いますので、偵察部隊は通称「レコン」と呼ばれています。機甲部隊に置かれていますが、練馬の第1師団に第1偵察戦闘大隊が新編されたのを皮切りに今後偵察戦闘部隊として再編されていくようです。陸自は、近年、あらゆる面で、鍛える組織から戦う組織への変貌が著しい気がします。 さて、私を加えた怪しい集団は、入り口で手渡されたパンフレットの内容や前日の松本公演での演目などから、今日はどんな展開になるのだろうか、など会話を交わしましたが、松本公演もご覧になっているjubijubizhyさんと斉藤さんは、ギャラリーさんと私がサプライズを楽しめるようにと、言葉を選んで話されてました。本当は、驚いたこと、感動したことを喋りたかったんだろうなー、と演奏会を観てそう思いました。それほど素晴らしかったですよ、でも詳細は後ほど(╹◡╹)
ホール内に入ると、すでに多くの方々が席についておられます。収容人員は1500名と聞きましたが、かなり大きなホールです。私たちの席は前から6列目の左端の方でしたので、ステージがとても近くに感じられます。ステージ上でチューニング等をされている方もおられませんでしたが、開演まではまだ時間がありましたので、例によって隊旗の撮影をさせていただきました。ちょっとステージも入れて・・
コントラバスが置かれてますね、岩田さんの演奏が楽しみです(╹◡╹)
・・・・演奏会場に辿り着くまでにちょっと長くなってしまいましたので、演奏会自体の報告は、次回にしたいと思います。
「え?結局そば食った話だけかよ!」という声も聞こえてきそうですが、どうかご容赦のほどm(_ _)m
長野へ行くぞ(╹◡╹)
未だコロナの話題が絶えない昨今の状況ではありますが、全世界を鳥瞰するに、ゼロコロナ政策で殻に篭り続ける中国を除けば、コロナ以前の生活を徐々に取り戻しつつあるように思えます。
音楽隊の演奏活動も例外ではありません。以前のようなダイナミックな活動が徐々にと言うよりはもう少し早いペースで復活しつつあるようです。
コロナ禍が始まっても、陸空のセントラルバンドが地方公演をなんとか開催する中、海自の東京音楽隊だけは、ちょっとしたタイミングの違いで中止が相次ぎ、多くのファンの皆様が落胆される場面が多かったように思います。
そんな中、昨日から、東京音楽隊の長野遠征が行われています。
昨日は、松本市のまつもと市民芸術館において「ふれあいコンサートin松本」が開催されました。
浜松から会場に足を運ばれたjubijubizhyさんによると、「三宅さんが凄かったんですが、ネタバレになるので黙っておきます」とのこと。
そうです、本日1830から、長野市のホクト文化ホールで開催される「ふれあいコンサートin長野」に私も行くんです。二日連続のコンサートですから、おそらくほぼ同じセットリストになると思われ、そこを慮って、jubijubizhyさんは「黙っておく」との配慮を示して下さったと言うわけです。
これまで、地方公演には応募もしなかった私ですが、今回は、zubizubizhyさんが、同伴者を私にして応募し、見事に当選されたため、初めての地方公演を聴けることになりました。zubizubizhyさん、ありがとうございますm(_ _)m
さぁ、「三宅さんが凄かった」コンサート、いやいや、楽しみで仕方ありません。
もちろん、報告記事を書きますのでお楽しみに(╹◡╹)
音楽まつり、東京音楽隊の勇姿(╹◡╹)
今年の自衛隊音楽まつり、会場でご覧になられた方も多いとは思いますが、私は残念ながら自宅組でした(_ _).。o○ リハーサル公演のチケットが入手できるかも、という展開もあったのですが、やはり3年ぶりの開催ということと、公演回数が少なかったこともあり、それはそれは狭き門だったようです。
その意味でも、今回会場でご覧になる機会を得られた方々は大変幸運だったのではないでしょうか。
ここまで、音楽まつりのことについて記事を書いて来なかったのは、決して自分が行けなかったからというわけではありません(少しはあるかも(╹◡╹))。色々動画は上がっているのですが、それらを拝見しても、なんとなく、今回の音楽まつりとの距離感を感じていたからだと思います。やはり、会場で直接体験してもいないのに、何かを書くのはちょっと難しいかな(≧∀≦)
ところが今日、三宅由佳莉さんのツイートで、今回の音楽まつりでの東京音楽隊のプログラムのYouTube動画が海上自衛隊公式ページにアップロードされたことを知りました。出演されている隊員の皆さんが装着されているカメラの映像も交え、大変臨場感と迫力に満ちた動画を拝見して、一気に目が覚めました(^^)
3年前の東京音楽隊は、「ベートーベン コラージュ」と題し、太田紗和子さんのスケルトンピアノを中心に素晴らしいステージを展開しましたが、今回はどうだったのでしょう。
冒頭、太田さんのピアノが奏でるのは加古隆さんの作品「パリは燃えているか」でした。随分前になりますが、NHKで放映されていた「映像の世紀」のテーマ曲として使われていたものです。懐かしい曲ですし、美しいだけでなく、聴くものの心の奥にある斬鬼の念や憐憫の情を掻き立てる力を持っているような気がします。ウクライナでの戦禍を、「映像の世紀」が扱っていた第二次世界大戦の惨禍に重ね合わせて表現する意図があったのではないでしょうか。
そして、そこから「宇宙戦艦ヤマト」に移行して行きますが、川上良司さんの独壇場だったこの作品を、橋本晃作さんが力強く歌い上げました。歌い手が変わると、作品のイメージ全く違ってきますね。川上良司さんが作り出して来られたヤマトの世界は、私たちが持つイメージに沿った大変安定感のあるものでした。そして橋本さんが作り出そうとしている新しいヤマトの世界は、瑞々しい躍動感を感じさせてくれます。
ところで、前回までの音楽まつりには、女性隊員のみで構成された「艦旗隊」が、日章旗と自衛艦旗を護持しつつドリル演技に参加していましたが、今回驚いたのは、全員男性隊員での構成でした。男性用の艦旗隊用コスチュームはないでしょうし、男性隊員には相応しくもないでしょう。夏の第1種制服で演じます。おそらくですが、橋本晃作さんという男性ボーカリストの音楽まつりデビューということを一つのテーマと捉え、今回は男性による艦旗隊を編成したのではないかと思います。本当のところは分かりませんが(≧∇≦)
そして、ヤマトの最後には「ヤマト」の人文字が・・
そこからの隊形変換で、伝統の大きな錨を作り出し、行進曲「軍艦」を演奏しながらの錨の回転です。今回の「軍艦」は、終盤で「ヤマト」のテーマがちょっと顔を出す、新しいアレンジでした。
8分ほどの短い動画ですが、下に埋め込みますのでご覧ください。
”M”の不思議再び
3年ほど前、戯れに書いた「”M”の不思議」という記事があります。
ほとんど何の意味もない記事ですが、英語表記した場合、陸海空の5人の歌姫全員のイニシャルに「M」が入っていることに気づいたので、そのことを書いたものです。
記事を引用しますとこんな内容です。
「三宅由佳莉(Yukari Miyake)さんはもちろん、横須賀の中川麻梨子(Mariko Nakagawa)さん、空自の森田早貴(Saki Morita)さん、陸自中方の鶫真衣(Mai Tsugumi)さん、そして陸自中音の松永美智子(Michiko Matsunaga)さんに至っては、M Mです」
たまたま、英文記事を書く際に、歌姫全員の名前を書いていて、「なんかMが多いなぁ」と思ったのが切っ掛けでした。何の意味もないとはいえ、偶然にしてはできすぎているなぁとは思っていたんです。
ところで、皆さんはご存じでしょうか?陸自の中央音楽隊で活躍されていた歌姫「松永美智子」さんが今年の夏、退職されたことを。
ちょっと、びっくりしたのですが、色々と検討された結果なのだと思います。ただ、退職後も、歌の世界で活躍されるとのことですので、ご自分の表現者としての可能性を追求する旅に出られたのではないかと思います。きっとまたお名前を目にし、歌声をお聴きする機会があるでしょう。
そして、さらにびっくりする情報があるんです。もうご存知の方もおられるかも知れませんが、今年陸自(西部方面音楽j隊)に入隊された新人の歌姫のことです。
YouTubeチャンネルにいつもコメントを下さる「sai」さんから、過去のブログ記事に絡めて情報提供がありました。下のリンクはオマーン軍楽祭に参加した陸自西部方面音楽隊の動画なのですが、ここで新人の歌姫が「花は咲く」を披露されています。
そして、その歌姫のお名前なのですが・・・・
なんと「水上珠奈(みずかみ・まりな)」さん(ひょっとしたら姓は「みなかみ」かも知れません)なんです。そうです、イニシャルは「MM」なんです。
言葉遊び的な戯れで書いた前回の記事でしたが、saiさんからの情報に接し、不思議以上の因縁を感じた次第です。
ともあれ、歌姫戦線に新たに参戦された「MM」こと「水上珠奈」さんの今後のご活躍に期待したいですね。
Saiさん、いつもブログやYouTubeのご視聴ありがとうございます。そして何より、今回の情報提供、本当にありがとうございました(╹◡╹)
フリートウィーク野外演奏会に行ってきました(╹◡╹)
3年ぶりの音楽まつりも終わってしまいましたが、ここでちょっとバックデートして、今更ながらのフリートウィークの話題です。いえ別に、自分が音楽まつり観に行けなかったから話を逸らしているって訳じゃないんです(≧∀≦)
2022年11月5日、横浜市の赤れんがパークで開催された、フリートウィーク野外演奏会に行ってまいりました。前日の横須賀芸術劇場での演奏会は、国際開催ということもあり、ちょっといつもとは勝手が違いましたが、野外演奏会の方は、いつも通りのカジュアルな感じでとても馴染みやすいです。
とはいえ、今回、私は演奏予定時刻を勘違いしており、危うく東京音楽隊の演奏を逃すところでした。本当は、米海軍第7艦隊音楽隊の演奏のところから聴くはずだったのですが、私が会場に着くと、ちょうど米海軍の演奏が終わり、しばらく休憩に入るという、何となくカオスな感じの時でした。このタイミングで到着したおかげで、何とか椅子席が並ぶエリアの脇に立つことができたのでした。ちょっとでもタイミングが遅かったら、多分、全くステージが見えないところから音だけ楽しむことになったでしょう。
だって、振り返ってみるともの凄い人垣ができていました。コロナの影響で演奏会がほとんど行われていなかったことや、3年ぶりのフリートウィークということもあるのでしょうけど、やはり、三宅由佳莉さんと橋本晃作さんの揃い踏みとなるこのコンサートへの関心が非常に高かったということだと思います。凄い人気ですね。
とはいえ、お陰様でステージが見える位置を確保することができたのですが、ふと、目の前の椅子に座り、三脚にスマホをセットして開演を待っている方を見下ろすと、その頭頂部に見覚えがありました。ですから、100%の確信はないものの声をかけてみました。振り返った顔はやっぱり「いかづちさん!」奇遇なものです。
(動画の中にも一部「いかづち」さんの頭頂部が映り込んでいます、悪しからず)
こんな感じで演奏会にぎりぎり滑り込んだものですから、他には「天気が良かったねー」くらいしか開演前のエピソードはないんです。
でも、椅子席のすぐ後ろをキープできたお陰で、演奏会の最初から最後まで撮影することができました。それが何よりです(╹◡╹)
さて、前日の横須賀芸術劇場での演奏会では、竹中晶子さんが司会進行役を務めておられたことは前回の記事で報告しましたが、今回のMCは、パーカッションの吉田佳奈恵さんでした。2019年の東郷の杜音楽祭でも司会をされてましたね。着実な進行の中にも、茶目っ気をうまく織り込んだ軽妙な語りが魅力です。
演奏会が始まるまでの僅かな時間に、ステージのセットもそうですが、音響の設定等の細々とした準備作業が一気に進められていきます。観ている方は、何がどんな段取りで行われているのか全くわかりませんが、受託した運営側と音楽隊の担当者、特にコンサートマスターの近藤悟史さん(お帰りなさい!)とのやりとりがひっきりなしに行われていました。
そんな中、男性ヴォーカルの橋本晃作さんがステージ前に現れて、スタッフの皆さんと何やらやりとりした後、突然マイクに向かってテノールの歌声を披露されたものですから、会場は驚き、そして直後には喝采が巻き起こりました。そう、ヴォーカルのマイクテストです。突然始まったものですから、私は撮影することができませんでしたが、YouTubeに動画をアップされている方もおられるんじゃないでしょうか。橋本さんの撮影はできませんでしたが、おかげで、三宅さんのマイクテストに備えることができたという訳です。
下の動画は、演奏会の様子をフルで録画したものですが、冒頭には開演前の三宅由佳莉さんによるマイクテストの様子を入れてあります。
上の動画は結構長いので、全般をざっくり観たいという方は下のダイジェスト版をご覧ください。
この演奏会は、私もフルで動画を撮ることができましたし、他にも多くの方が様々な動画を上げておられますので、演奏会の内容についてあれこれ書くのは野暮というものでしょう。でも、ちょっとだけ(^^)
三宅由佳莉さんが今回歌われたのは、MISIAさんの「明日へ」です。2年前に横須賀芸術劇場で開催された、横須賀音楽隊の「ふれあいコンサート2020」では、当時横須賀音楽隊所属の三宅さんが出演され、ウェルカムコンサートを含め、4曲もの歌を披露して下さったのですが、その中には前日の国際観艦式演奏会でも披露された松田聖子さんの「瑠璃色の地球」と、MISIAさんの「Everything」が含まれていました。
これはもう随分前から書いてきたことですが、30代に入ってからの三宅さんは、入隊以来というよりは、世間に知られるようになって以来、自身が纏わされ続けてきたお仕着せの「殻」あるいは「仮面」を破って、表現者としての幅をどんどん広げて来られたように思います。
photo by MONSTER
「瑠璃色の地球」やMISIAさんの楽曲というものを歌われるのは、もちろん音楽隊として検討した結果ではあるのでしょうけど、おそらく三宅さんの意向が反映されている分野なのではないでしょうか。
音楽隊の皆さんはミュージシャンではありますが、いわゆるアーティストではありません。音楽性を研ぎ澄ますことは目的ではなく手段です。研ぎ澄ました音楽性を武器に使命を達成するミュージシャン集団が音楽隊ということです。そしてその使命とは、自衛隊員の士気を高揚させること、自衛隊の厳格なる威儀の保持に寄与すること、そして自衛隊に対する国民の理解と支持という防衛基盤の拡充に寄与すること、という3つの任務を通じ、我が国の防衛に資することです。
ですから、音楽隊はあらゆる分野の音楽に平素から取り組んでいますし、三宅さんや橋本さんが歌われる歌のジャンルも際限がありません。とはいえ、ミュージシャンである以上、やはりコアになる音楽性というものがあるはずで、それを大切にし、育て、伸ばしていかなければならないのではないかと思います。
そのようなコアになる音楽性というものが、三宅さんの場合、すべてを包み込み、赦し、慈しむ大いなる愛というものなのかも知れません。
さて、演奏会自体は動画のとおり、短い時間にも関わらず盛りだくさんで、会場を埋め尽くした聴衆を十分に満足させ、翌日に迫った国際観艦式に向けての機運を弥が上にも盛り上げつつ終演となりました。
3年前の「幻の観艦式」に際して開催されたこの演奏会では、終演後にベースの岩田有可里さんとお話する機会があり、一緒に写真も撮らせていただきました。
前回と違ってコロナ禍ということもあるし、聴衆の数も多いですし、なかなか隊員の皆さんと直接お話しするのは難しいんじゃないかと思いました。というか、皆さんそう思っておられるのが、終演後にも名残惜しそうに屯しておられる皆さんの佇まいからも窺われました。
とはいえ、会場と楽器運搬車の間を行き来する隊員の方の何名かは、ファンの皆さんとの会話に応じておられたので、厳しい制限が課されているわけではないようでした。
そんな中、ふとステージ脇のフェンスの内側に目をやると、赤嵜尚子さんがすぐ近くにおられたものですから、「あ、赤嵜さん」と声を掛けると笑顔で挨拶をしてくださいました。ただ、側におられる植田隊長への報告があったらしく、お忙しそうでしたので、すぐにおいとましましたが、短時間でもご挨拶ができたのは幸運でした。
その後、楽器運搬車への楽器の積み込みの様子などを撮影してから、ぶらっと歩き始めると、ちょっと先で「いかづち」さんが、女性隊員の方と立ち話をされていました。後ろ姿でしたけど、すぐに岩田有可里さんだとわかります(「いかづち」さんは筋金入りの有可里ストですし(╹◡╹))
私も合流させていただき、短時間でしたけど久々に会話をすることができました。
コロナ禍が続いてきたことは確かですが、それとは別に、最近岩田さんの姿を見る機会がなかったことが気になっていたので、「最近姿が見えなかったですよね」とお聞きすると、どうやら半年ほど横須賀教育隊で、新隊員の面倒を見る「班長」をされていたそうです。教育隊の班長といえば、厳しさと深い愛情をもって「朝から朝まで」新隊員を見守り育て、そして巣立たせる姉貴分的存在です。「朝から朝まで」ですから、それは大変な職務ではありますが、お話を聞いて、私は「岩田さんに向いてるなぁ」と思ったのでした。新隊員にとって、自衛隊で初めて深く接するのが「班長」です。新隊員への影響力が途轍もなく大きく、「こんな自衛官に自分もなりたい」という目標になることも多いんです。その意味で、素晴らしい目標だったに違いないと思ったのでした。
案の定、この演奏会にも、多くの教え子達が来場していたとのことです。みんなきっと岩田さんのようにクールでプロフェッショナルな自衛官として育ってくれることでしょう。
ちなみに、岩田さんは、「ベースの音ちゃんと聴こえたましたか?」が、1番の心配事だったようです。岩田さんによると、最初ベース側のボリュームを絞ったままで演奏を始めてしまって、途中で気がついて上げたらしいんですが、演奏中で音響スタッフの方と連携する術もなく、どうなっていたのか気になっていたようです。いかづちさんが「ちゃんと聴こえてましたよ」と仰ると、とても安心されてました。
クールな岩田さんの、ちょっと「やっちまった」話が聞けたのも大きな収穫だったような気がします(╹◡╹)
あ、写真撮らせてもらうの忘れてた、またやっちまった(≧∀≦)
※挿入写真は、モンスターさんからご提供いただきました。