あれこれdiary

海自OBによる偏見御免徒然あれこれdiary

東京音楽隊のサプライズコンサート

 久々に東京音楽隊のコンサートが行われました。

 と言っても、コンサートホールでのレギュラーコンサートではありません。世田谷区立山野小学校の6年生の皆さんに対する野外音楽鑑賞教室という、特別授業?を行ったのです。15分という短い時間でしたが、きっと楽しい時間だったに違いありません。

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世田谷区立山野小学校

 ご存知のとおり、東京音楽隊は世田谷区上用賀に所在していますので、地元世田谷区の学校を結構訪れているのではないかと思います。今回の演奏会場となった山野小学校と東京音楽隊の位置関係を地図で確認してみましょう。

 車で約8分、徒歩でも35分ですから、本当にすぐ近くですね。

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 でも、昨今のご時勢で、それすらも自粛せざるを得なかったでしょうから、本当に久しぶりに生徒さん達の前で演奏するこの機会は、東京音楽隊の皆さんにとっても心踊るひと時だったのではないでしょうか。

 グラウンドでの野外演奏会は、旗持ちさんを先頭に演奏しながらの入場行進で幕を開けたそうですが、旗持ちさんたちの満面の笑顔が、人前で演奏できることの喜びを雄弁に物語っているような気がします。お二人ともいい笑顔です。

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晴れやかな笑顔も眩しい旗持ちさん

 何故お前がそんなことを知っているのだ?と思われた方もおられるかもしれません。私も今日の昼休みまで全く知りませんでした。「いかづち」さんからのラインで、東京音楽隊のホームページのコラムが更新されたことを教えてくれました。

 東京音楽隊の演奏会がようやく始まったことだけでも嬉しいのに、そこに掲載されている写真の数々が、本当に生き生きとしていて心を掴まれました。で、何枚か拝借してしまいました、すみませんm(_ _)m

www.mod.go.jp

 詳しい演奏内容などはこのコラムをご覧になってください。

 ちなみに、この演奏会の様子は、YouTubeの海自公式サイトで公開される予定だそうです。もう、楽しみで仕方ありません。

 ところで、今回の演奏会では「パプリカ」の歌とダンスが披露されたそうなのですが、コラムの中で「大湊音楽隊の動画も好評をいただいている…パプリカ」と紹介されていました。

www.youtube.com

 このブログでも、その動画を取り上げたのを覚えてらっしゃる方もおられると思います。本当に素敵な動画だと私は思ったのですが、やはり大人気なんだなということがわかって、なんだか嬉しくなりました。そして、大音の人気動画のことが東音のコラムで言及されていることがまた、素敵なことだなと思いました。

 そして、もう一つ、樋口隊長です。

 真っ黒いマスク姿ですが、黒地に何やらゴールドの模様があしらわれています。よく見ると、海上自衛隊のロゴです。ひょっとしたら、東京音楽隊の文字も入っているかもしれません。

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東音ロゴ入りマスクの樋口隊長

 どこかに売ってるんでしょうか。それとも広報用のグッズなのでしょうか。一家に一枚あってもいいんじゃないかな(╹◡╹)

 

 さて、今回、久々の東音コンサートのコラム記事を拝見して思ったのは、コンサートの再開を私たちはずっと楽しみにしてきましたけど、それ以上に音楽隊の皆さんは、みんなの前で演奏したいという思いが強いに違いないということです。

 そんな思い、そして今回、短時間だったけれど、色々趣向を凝らして楽しんでもらおうと企画した演奏会を予定どおりやり遂げることができたことへの喜び、弾む気持ちというものが、コラム全体から痛いほどよく伝わってきて、なんだか感動しました。

 私たちが楽しみにしているレギュラーコンサートの再開まで、あとどれくらいの期間が必要なのかはわかりませんが、音楽隊の皆さんは、私たち以上にもどかしい思いで日々を過ごしておられるはずです。そんな彼らに心を合わせて、この難局を乗り切って行きましょう(╹◡╹)

今年の遠洋練習航海(4)

 先日、「今年の遠洋練習航海(3)」という記事で、遠洋練習航海部隊の後期日程が公表され、8月28日(金)に出航することを紹介しました。

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 プレスリリースと同時に、海上自衛隊のホームページ上には、後期日程用のページが作られていました。

 そこに掲載されている航路概要です。

 おや?と思われましたか?

 アラスカに向かうなら、太平洋上をまっすぐ北東進すれば良いものを、寄港地もないのに何故わざわざ津軽海峡宗谷海峡を経由してオホーツク海を通っていくんだろう?

 もちろん部外者の私にわかるはずはありませんが、一般論で言うならば航行実績を残すこと、つまり「チャレンジ」の一環ではないかと思われます。

 私がまだ1等海尉の頃、統合幕僚会議事務局(現在の統合幕僚監部の前身)で2年ほど門前の小僧をしていたのですが、隣の班の陸自の先輩が、ある安全保障関係の国際シンポジウムに参加され、その時の興味深いエピソードを教えてくれたことがあります。

 ロシアから参加した研究者の発表の中で、「オホーツク海はロシアの海岸だけを洗っている」との表現があったので、その先輩は発言を求め「オホーツク海は日本の海岸も洗っているぞ」と反論したところ、会場がざわめいたと言うのです。

 発表が終わると、ロシア人研究者が歩み寄り「先ほどの発言は、クリル諸島北方領土)のことを指しているのか」と聞かれたので、「それもそうだが、北海道はオホーツク海に面しているではないか」と指摘すると「あー、確かに」と呆気にとられたような表情をしていたそうです。

 このエピソードが示すように、ロシアにとってオホーツク海は聖域であり、自分たちの内海だとの意識が強いんだと思います。でも、陸自の先輩が言うとおり、北方領土のことはさて置いたとしても、我が国の沿海でもありますし、その大部分は公海ですから、航海自由の原則が適用されます(EEZに係る経済活動の制約はありますが)。

 でも、一般論として、相手国の主張に配慮してある海域への入域を避けていると、事実上の聖域が成立してしまい、任務所用に応じて入域しようとした場合、相手国に無用の警戒心を抱かせかせるようなことにもなり兼ねません。ですから、平素から航行実績を積み重ねることで、自らの航行の自由を相手国に認識させておく必要があるのです。もっとも、そのような意図の有無を海自が公表するわけもありませんので、推測の域を出ませんが、一般的に考えればそういうことでしょう。

 その辺のところを解説した記事を以前書いていますので、興味のある方はお読みください。

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 そして、もう一つ特徴的な航路が見て取れます。そうですね、アラスカのノームに寄港する前になぜか大幅に北上し、また南下しています。何とも不自然なこの航路は一体何なのでしょうか。これもまた、「チャレンジ」の一環かも知れません。海自の艦艇がベーリング海峡に入域するのはおそらくこれが初めてだと思います。

 何故ベーリング海峡にこだわるのか。これもまた推測の域を出ませんが、一般に地球温暖化と呼ばれている近年の気候変動に関係がある思います。

 近年の気候変動により、北極海の氷海が縮小し、夏期の2ヶ月ほどは航路として使用することもできる状態になっています。期間は短いですが、我が国を含む極東地域から欧州への航路として見た場合、スエズ運河を経由するよりも3割ほど距離が短縮されますので、その経済効果は非常に大きいと言えます。

 そして、氷海の縮小はまだ続いていますので、航路として使用できる期間も次第に長くなる傾向にあります。ですから今、北極海を通る北方航路を巡り、各国のせめぎ合いが静かに進行しています。

 例えば、かなり前から、北海道への中国資本の進出が言われており、もちろん様々な狙いはあると思いますが、北方航路の中継地として、釧路港を確保することもその一つではないかと見られています。

 いずれ、ベーリング海峡は、現在のマラッカ海峡のように多数の船舶が行き交う有数の海峡になる可能性があるのです。つまり、我が国の重要なシーレーンが北方にも伸びる可能性があるということでもあります。このため、海自としてもベーリング海峡から北極海に至る海域での行動実績を積んでいく必要があると考えていてもおかしくありません。いや、考えていなければおかしいと思います。その意味で、今回の遠洋練習航海部隊の後期日程で、まずベーリング海峡に入域して、航行実績づくりの足がかりにするとともに、海域の情報収集を行うと考えれば、あの航路図がちっとも不自然には見えないのではないでしょうか。あくまで推測ですけど。

 そして、遠洋練習航海部隊が北極海を通って欧州方面に進出するような時代が、遠からず訪れるような気がします。

どっからでもかかって来い!

 今朝、三宅由佳莉さんのインスタグラムが更新されたものですから、早速記事を書きアップしました。先週、先々週と週末に更新されていたので、今日も更新されるような気がしてはいたんです。

 あ、やっぱり。と思い、記事をアップして、安心して出かけていたのですが、出先でスマホを見ると、インスタグラムにメッセージが…

 開けて見ると、「うわ」浴衣姿の別のショットが∑(゚Д゚)

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さらにめくるともう一枚の立ち姿が

www.instagram.com

 今朝の1枚も併せ、同じ日に3ショットを別々にアップするなんて、全く予想外でした。本当に、いつも何か裏切られますね(╹◡╹) まぁ、その裏切られ方が心憎いと言いますが、楽しいんですけど。

 ただ、今日は出先だったものですから、正直「やられた、パタ」という感じだったのですが、次の瞬間、「おっしゃ、どっからでもかかって来い!」が口を衝いて出ました。これ、現役の頃から困難な業務に直面した時に、自分と周囲に気合いを入れるためによく使った言葉です。これを言うと、なんか根拠のない自信が湧いてきて、真正面から取り組むことができるんです。

 今日の場合はちょっと状況が異なりますが、新しい写真を拝見した瞬間、アドレナリンが体内を駆け巡ったに違いありません。

 あれやらこれやら、用事を済ませて、ようやく帰宅したので、記事を起こしているというわけです。

 それにしても…

 今朝の写真だけでも、まさに「大和ごころ」を感じさせるものがありましたが、この2枚が加わったことで、今朝の記事で言いたかったことが完全に表現されているような気がします。立ち居振る舞いやその表情も含め、和装での美を追求されたのが今回の一連の投稿なのでしょう。

 次は一体……うん、考えても無駄ですね。

 そう「どっからでもかかって来い!」(╹◡╹)

 

大和撫子七変化

 タイトルにある「大和撫子七変化」、覚えてらっしゃるでしょうか?昭和の御代がその最高潮に達しつつあった昭和59年、アイドル歌手全盛の歌謡界において、誰ともキャラクターが被らない独自の立ち位置を確立し、ひときわ異彩を放ち続けていた小泉今日子さんが歌って大ヒットした「ヤマトナデシコ七変化」の捩りです。

 と、もっともらしい書き出しですが、もうお判りですよね。

 そうです、三宅由佳莉さんのインスタグラムが今週も更新されました。

www.instagram.com

 大柄の鮮やかな花をあしらった浴衣姿ですが、その視線と、手指の表情からは、日本舞踊を舞われているかのような動きが感じられますね。

 日本舞踊の基本である立ち姿は、心・眼・背・足・手(しん・がん・せ・そく・しゅ)が重視されるそうです。心は平安を保ち、眼はまっすぐ前を見据え(金目)、背筋をすっと伸ばし、両足を揃え、両手の親指を内側に、肘を張らずに…

 三宅由佳莉さんの立ち姿は、まさにそんな感じではないでしょうか。日舞もやっておられたのかも知れませんね。あるいは自然にできちゃうのかな?

 そんな三宅さんですが、ステージの上では「どこから出て来たそのキャラクター」と思わせるような驚きを度々見せてくれますし、インスタグラムでも、先週の上段蹴りをはじめ、空手の技のキレのよさ、しっとりとした雰囲気で何かを祈るかのような表情や、「もも〜」な感じなど、その多彩さには驚かされてばかりです。

 そういえば、2年ほど前にも「三宅由佳莉さんの七変化」という記事を書いていたのを思い出しました。三宅さんのキャラクターが把握しきれないと感じていたことをそのまま素直に書いたものです。

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 その後も、三宅さんの七変化ぶりについては、何度も感じて来たことではありますが、今回の写真を拝見して、その基本には「大和撫子」がしっかりと備わっているに違いないことを強く感じました。

 そして、かつての小泉今日子さんと同じように、日本中のどの歌手とも一切被らない独自の立ち位置を確立され、ひときわ異彩を放ち続けている三宅さんの、大変珍しい浴衣姿と優雅な動きを感じさせる手指の表情から、「大和撫子七変化」というタイトルが浮かんだのでした。

求む!愛国の士

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 物々しいタイトルですみません。

 ちょっとした思いがあって、記事を認めることにしました。

 このブログを長くお読みの方はご存知だと思いますが、私はこのブログを書きながら、YouTubeにも不定期に動画をアップしています。基本的には、ブログの記事に埋め込むための動画を供給することを目的に運営を開始したので、主たるテーマは三宅由佳莉さんであり、海自音楽隊です。ところが、動画の本数が増えるに従い、チャンネル自体を楽しんで下さる方が増えてきましたし、中にはちらほらと海外からのコメントが見られるようになったため、「小さなコメント作戦」を始めました。

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 せっかく海外から頂いたコメントに、その母国語で返信することにより、三宅さんや海自音楽隊、ひいては日本への関心を呼び覚ますことを企図したものです。ある意味、「草の根安全保障」の一環だと思っています。規模はあまりにも小さいですけど(≧∀≦)

 海外からのコメントが増勢傾向を見せ始めたことから、動画のタイトルを英語にし、解説欄もまず英語、その下に和訳を記載するという風に、海外視聴者を意識した構成に変えました。だって、とても気になる動画を見たら、その背景や出演者のことが知りたくなるに違いないと思ったからです。海外からの訪問者の多くは日本語を解さないと思われますが、日本の皆さんなら英語のタイトルでも全く支障はないでしょう?日本語の解説もありますし。そんな工夫が功を奏したのか、はたまたコロナの影響で家にいる時間が長くなったからなのか、今年に入ってから、海外からのメッセージが驚くほど増えつつあります。

 ところで、このブログにも時々、私の愛国的思いから書く記事があるため、そうした記事に埋め込む動画も時々アップしています。それらへの海外からのコメントは概して好意的であり、「Love Japan from …」が驚くほどたくさん寄せられていますし、米国や英国などからは、「かつて敵国同士として戦った仲だけど、日本を心から信頼してるよ!」とか、「日本はいい加減目を覚ませ、君たちはフル武装して危機に立ち向かう権利があるのだぞ!」という励ましのメッセージも少なくありません。そして「Tenno Heika Banzai」というコメントのなんと多いことか∑(゚Д゚)

 日本のことを愛してくれる外国人の方々が増えていることを伝える動画チャンネルが大変多くなっていますが、本当かな?と半信半疑だった私にとって、自分のチャンネルに寄せられる海外からの声に直に接することで、それを実感する毎日です。

 他方、我が国周辺の一部の国々が世界中に撒き散らすプロパガンダの影響なのか、例えば「旭日旗」や「自衛艦旗」をことさら貶める目的で寄せられるコメントも少なくありません。これらに対しても、可能な限り反論といいますか、事実関係の説明に勤めているのですが、最近、コメント数自体が増えていることもあり、チェック仕切れていないのが現状です。

 私のチャンネルなのですから、第一義的に私が対応しなければならないのはよく分かってはいますが、専従で活動できる身分ではありませんので、力及ばずの感が否めません。

 そこで、「求む!愛国の士」なのです。

 すでに、自主的に戦ってくださっている方もいらっしゃいますが、まだまだ少数です。我が国の名誉と本来の日本を回復したいと願っている方がおられましたら是非、「小さなコメント作戦」への参戦をお待ちしています。たまーにでいいんです。愛する祖国のために払われる小さな努力が集まることで、それは大きな力になるのではないかと思います。

 先方が「ヘイトスピーチ」を繰り返したとしても、当方はあくまで理性と事実に基づき、静かに反論する。この蓄積が何より大切だと思います。

 そして、「小さなコメント作戦」は海外からのメッセージだけを対象にしているわけではありません。日本語での誤解に満ちたコメントには日本語で対応しています。ですから「外国語はちょっと」な方も参戦していただけたなら幸甚の至りです(╹◡╹)

 勝手なお願いで恐縮ですが、このブログをお読みの方の多くが「愛国の士」に違いないと思えばこそのことですので、どうかお許し下さいm(_ _)m

今年の遠洋練習航海(3)

 先月の22日、令和2年度遠洋練習航海部隊が前期日程を終えて横須賀に帰港しました。横須賀基地での歓迎行事では、横須賀音楽隊の演奏が行われ、三宅由佳莉さんの歌も、本当に久しぶりに披露されました。

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 今年度の遠洋練習航海は、新型コロナウイルスの影響で、外国との人的交流が大幅に制限されていることから、前半(44日間)は、補給のみの目的でシンガポールチャンギ港に2回寄港するのみで、あとは長期滞洋訓練となりました。

 「スペリアFUJI」によりますと、入港歓迎行事後の艦内見学の際に案内してくれた実習幹部(かな?)は「私たちは全員が複数回の検査を受けて陰性であることを確認した上で出航しましたし、航海中一人の発症者もいませんでした。ですから日本中で最も安全な集団です」と冗談めかして話してくれたそうです。

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前期日程を終え横須賀に入港した「かしま」

 あれから1ヶ月、ようやく「後期」の概要が海自ホームページに掲載されたことを、昨日「いかづち」さんが報告してくださいました。明日、28日に出航です。

 下のバナーをクリックすると関連リリースに飛びますので確認してみてください。

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 「後期」もその目的は「前期」と全く同じですが、いくつか異なることがありますので見ていきましょう。

 日程や総航程は概略2割程度長くなっていますが、部隊指揮官は、もちろん練習艦隊司令官の八木浩二・海将補で変わりありません。

 派遣艦艇が「かしま」単艦となったのは大きな変化です。まず、僚艦を伴わないことから、航行中の隊形変換や、ハイライン訓練など、僚艦の存在が必須の訓練ができません。また、随伴艦に搭載されているヘリコプターもありませんから、部隊運用上の制約が結構ありそうです。

 部隊編成で最も注目したいのは、実習幹部の人数が「前期」の155名から、「後期」は110名と、45名減となっていることです。

 この1ヶ月で45人も退職したのか、あるいはクラスターが発生し、航海に参加させられなかったのか…なーんてことはないと思いますが、何故なんでしょう。年々拡大を続ける新たな任務への対応で、人員・艦艇ともに慢性的に不足している海上自衛隊です。特に緊迫化の度合いを深めつつある昨今の情勢への対応として、第一線の部隊から抽出される随伴護衛艦の派遣期間を「前期」のみとし、実任務への投入兵力を確保したのではないでしょうか。それに伴い、技術幹部など、作戦畑以外の職種に就くことが決まっている一部の者については「前期」のみで実習を切り上げさせることにしたのかもしれません。今年度の遠洋練習航海は「変則」実施となっていますが、ひょっとしたら、アフターコロナ時代における遠洋練習航海の雛形となるのかもしれませんね。海上自衛隊も新たな時代に対応するため、変革の方向性を模索中なのでしょう。

 そして、もう一つ大きな変化があります。それは、「後期」日程には海外の寄港地が設定されていることです。全て米国ですが、ノーム、アンカレッジ、パールハーバー、そしてサイパンです。アラスカ、ハワイ、サイパンという、メインランドからは遠隔の地に限定することで調整がついたということでしょうか。いずれにせよ、寄港地における親善行事も当然セットされているはずですから、「前期」では確認できなかった「練習艦隊音楽隊」も、今度は間違いなく編成されていると思います。 また一つ楽しみが増えましたね。

 なお、寄港地の一つであるアンカレッジは、私が実習幹部として参加した遠洋練習航海部隊の最初の寄港地でもありました。

ja.wikipedia.org

 以前、私が参加した遠洋連取航海の思い出話をシリーズで書いていました。でも、そもそもシリーズを計画していたわけでもなく、航程半ばのニューヨーク寄港の際の興味深いエピソードのことを突然思い出して書いたのが始まりでした。

retcapt1501.hatenablog.com

 この記事がきっかけで、なんとなくシリーズになったのですが、以後の航程を記憶を頼りに辿って行ったため、最後の寄港地パールハーバーまでたどり着いたところで、行き先がなくなり中断となりました。なんだか、中途半端ですし、いずれは前半のことも書こうとは思っていたのですが、その前に予想もしていなかった三宅さんの遠洋航海が突如として始まってしまったものですから、私自身の想い出シリーズなど、木っ端微塵に吹っ飛んでしまったというわけです(╹◡╹)

 でも、そろそろ書こうかと思っていたんです。最初の寄港地アンカレッジでは、楽しいエピソードがたくさんありましたので、シリーズ再開にはもってこいだな、と思っていたところへ、今回の「後期」日程にアンカレッジが入っていたものですから、「もう絶対書く!」に格上げとなりました。ということで、近々アップしたいと思います。

海上保安庁音楽隊からの暗号(╹◡╹)

 昨日、東京音楽隊と第7艦隊音楽隊のリモート合奏動画が公開されたことをご紹介する記事を書きました。その際、東京音楽隊のホームページをチェックして、新しいコラムなどが投稿されていないか確認してみました。特に新しいものはなかったのですが、ちょっと前に投稿された「海上保安庁音楽隊からのお便り」というタイトルに目が止まりました。

www.mod.go.jp

 以前も拝見したコラムなのですが、どんな内容だったかな、と思いもう一度クリックしてみましたら、昨年日比谷の野音でジョイントコンサートを行った海保音楽隊のみなさんが、東京音楽隊のビデオでの演奏活動を目にして、刺激を受けられ、両音楽隊の友好関係を象徴するようなイラストを送ってくださったというようなことが書いてありました。そうだった、そうだった。短いけど、そういうコラムだったと思い出しました。

 野音でのコンサートの際にもステージの中央に同じテイストの手書きのボードが置かれていて、「お洒落だなぁ」と思ったことも思い出しました。とても素敵だったので目の前まで行って撮影したのがこの写真です。

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 ちょっと素人離れしてますよね。海保のどなたがお描きになっているのか、いつか尋ねてみたいと思います。

 それはさておき、今回取り上げたコラムで紹介されているイラストもとても素敵です。で、そのイラストを改めてじっくりと見てみました。

 やはりお洒落なイラストです。

 「We will get through this together(我々は共にこれを乗り越える)」との「コロナに負けない」という力強いメッセージの両脇を国際信号機「U」「W」で挟みました。この信号の意味は、以前記事にもしましたので覚えておられる方もおられるでしょう。

 「航海の安全を祈る」という意味です。

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 そして、イラストの中央には鐘楼が置かれ、そこから点鐘の音色が左右に広がっていきます。そしてその下には、左側には東京音楽隊の、そして右には海保音楽隊の演奏服の袖飾りがあしらわれています。

 それにしても、鐘の音の音紋の描き方がちょっと引っかかりました。この途切れ途切れ感って、ひょっとしてモールス信号じゃなかろうか。そう思って読んでみても全く意味が通じません。そこで、モールスをアルファベットで読み直してみると…

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 なんと、意味が通じそうです。

 左側は「JMSDF B,T」つまり「海上自衛隊(JMSDF)東京音楽隊(Band Tokyo)」

 右側は「B JCG BK」つまり「海保音楽隊(Band Japan Coast Guard)」だと思うのですが、最後の「BK」がわかりません(≧∀≦)

解読失敗 (-.-;)y-~~~

 分かる方、教えてください(╹◡╹)

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【追記】

 この記事に「VVV」さんから大変貴重なコメントをいただきました。同一記事内ですけど、見やすくするためにここに転記します。

初めまして。いつも拝見しています。
普段コメントとかしたことないのですが、モールス信号についてどうしてもお伝えしたくて。
海上保安庁音楽隊の英語名称は
Japan Coast Guard Band
なので、JCGBで一つだと思います。
そして、最初のBと訳された部分、何となく最後の点だけ離れているように見えるので、DEではないでしょうか。
すなわち、
DE JCGB K
こちらは海上保安庁音楽隊どうぞ
と解釈しました。いかがでしょうか。

 おー、まさにご指摘の通り!納得しました(╹◡╹)

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 私が「B」と訳した「=・・・」ですが、よく見ると「ー・・」と「・」に別れてますね。つまり「B」ではなく「DE 」でした。「DE 」は「This is」と読みます。そして最後の「K」は「Over」

 JMSDF Band Tokyo This is JCG Band over.

 もう、スッキリしました。「VVV」さん、ありがとうございました(╹◡╹)